今や二人に一人がガンに罹る時代と言われています。ガンの種類によって治療期間は様々でしょうが、自分が経験した悪性リンパ腫の場合、治療期間は半年~1年に及ぶことも珍しくないです。特に再発となると入院期間も長く、仕事をお休みしなければならないケースも多いかと思われます。私の場合がまさにそうでしたが、一家の稼ぎ手が病気療養のために仕事ができなくなったら、生活はどうなるの?と不安がよぎりますよね。生命保険・医療保険と共にこの療養生活を助けてくれる社会保険の諸制度について、自分の経験を基に纏めてみました。
加入健康保険別早見表
悪性リンパ腫の診断を受けてから治療が一旦終了するまで、どれくらいの入院・通院があり期間はどれくらいなのでしょうか? 自分の場合、初発(左精巣原発DLBCL:びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)の治療期間は足掛け9カ月 入院31日、通院39日で、再発(右下肢皮膚への再発DLBCL)の時は、治療期間足掛け17ヵ月、入院205日、通院41日でした。初発治療は職場の理解があれば休職しなくても大丈夫な感じでしたが、再発治療は休職せざるを得ないでしょう。生命保険・医療保険等の私的保険以外の社会保険について、加入している健康保険組合別に早見表を作ってみました。
それぞれの制度についてもお伝えする積りですが、制度によってはお伝えする項目が多く回数を分けざる得なくなると思います。ここでは、医師の診断を受けたら加入している健康保険組合の行で〇が付いている制度の利用を検討してもらえれば良い、という意味で作りました。
| 制度名 | 高額療養費 | 独自還元金 | 傷病手当金 | 障害年金 |
| (健康保険:法定給付) | (大企業組合) | (健康保険) | (国民/厚生年金) | |
| 〇◇健康保険組合 | ◎ | ◎ | 〇 | 〇(条件あり) |
| 協会けんぽ | 〇 | × | 〇 | 〇(条件あり) |
| 国民健康保険 | 〇 | × | × | 〇(条件あり) |
- ◎制度あり・何もしなくても健康保険組合がやってくれて事後に通知が来る
- 〇制度あり・申請が必要
- ×制度無し
- 〇◇健康保険組合:大企業の社員で勤務先の健康保険組合に加入されている方の場合
高額療養費制度
誰でも利用できる高額療養費制度について実例を交えて紹介します。医療を受ける患者個人個人の収入レベル毎に高額な医療費の一定部分を健康保険が負担をしてくれる制度です。70歳未満の自己負担限度額を下に示します。健保加入者の標準報酬月額は、給与明細の健康保険料と居住地の協会けんぽの健康保険料額表を見比べると、ご自身の標準報酬月額が分かります。(令和3年度東京都の例r30213tokyo.pdf (kyoukaikenpo.or.jp) この表の”全国健康保険協会管掌健康保険料”⇒”介護保険第2号被保険者に該当する場合(=40歳以上の方)”⇒”折半額”を見て、給与明細と同じ額の行の左を見ると標準報酬月額が分かります。)

区分ウの方が病院の窓口で80,100円より多く払ったら、幾らか戻ってくると理解して良いのですが、1ヵ月単位で区切り、同じ総合病院でも医科入院・医科通院・歯科入院・歯科通院 それぞれ区別されるので、実際のところはややこしい面があります。
実例として私の初発治療で私(区分ア)が実際に支払った額、後で戻ってきた額、区分ウだったら自己負担がどうなっていたかを計算してみました。
精巣原発DLBCL治療内容:左精巣高位摘出術⇒DLBCLと診断⇒RCHOP6コース+髄注4コース+対側への放射線照射15回 治療期間2018年1月~9月 合計入院日数31日、合計通院日数39日 入院中の食費は高額療養制度の対象ではないので下記の表からは除いてあります。

表が見にくくなってしまいましたが、総治療費419万円、3割相当の窓口支払額125万円、区分アの場合1回だけ高額療養費制度に該当(3月入院治療費)18万円程払い戻しがあり自己負担が107万円でした。もし、区分ウであったら1月・3月・4月の入院治療費が該当、5月以降の通院治療費が多数回該当に4度該当(太字で表示)合計で64万円程の払い戻しとなり自己負担が61万円だっただろうとの結果です。
初発治療の時、私は健康保険組合のある会社に勤めており同組合独自の一部負担還元金も貰えたので、最終的な自己負担額は31万円で済みました。病気らしい病気になったことが無かったので分からなかったのですが、定年間近になって初めて健康保険組合の有難さが分かった次第でした。上の表と健康保険組合独自の還元を加えて、総医療費(10割)通常の健保負担(7割)高額医療費+(独自還元)+自己負担(合計3割)を区分別に下の図にまとめてみました。

因みに再発治療の自己負担額は次の通りでした。

再発治療の時は定年後再就職先の協会けんぽに加入していたので、上の表の区分アが高額療養費制度適用後に実際に支払った額です。再発治療のCAR-Tは保険適用ではありますが通常の3割負担等とは全く別の扱いなので、総治療費の集計等はしていません。再発時の治療費については別記事を参照ください。CAR-T治療費 ざっとこんな感じ – CAR-Tで悪性リンパ腫寛解 (positive-enma.com) CAR-T/自家移植治療費 少し詳しく – CAR-Tで悪性リンパ腫寛解 (positive-enma.com)
限度額適用認定証(70歳未満対象)
高額療養費制度は誰にでも適用されますが、最初の早見表に書いた通り大企業にお勤めの方以外は、適用となる月毎に申請をしないとお金が戻ってきません。そもそも自分がどの区分なのか、果たして今月は対象となるのか・・・と申請に至るまでの確認が複雑です。
これらを一挙解決する方法は限度額適用認定証を取得する事です。加入されている健保に申請書を提出すれば、直ぐに(数日で)認定証を発行してくれてそこに区分も書いてあります。限度額適用認定証を保険証と共に月一回病院に提示すれば、窓口支払いの際に高額療養費を差し引いた額の請求になるので、一旦3割払って⇒高額医療費の申請をして⇒払い戻しを待つ という工程が割愛でき、家計的にも手間的にも負担軽減になります。ですので、治療費が高額になりそうなときは素早く限度額適用認定証を入手することをお勧めします。
限度額適用認定証について協会けんぽの説明ページ 限度額適用認定証をご利用ください | 広報・イベント | 全国健康保険協会 (kyoukaikenpo.or.jp)
傷病手当金と障害年金については次回に譲ります。





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