経過観察17ヵ月目:血球揃い踏み/免疫改善傾向?またもや医療崩壊の危機/他家CAR-Tについて

CAR-T後17ヵ月目の経過観察結果をご報告します。血色素量が正常下限に届き、白血球・血小板とともに全てが正常範囲に入りました!免疫グロブリン(IgG)は前月輸血をしたので今回は値が上昇する番ではありましたが、上がり方がこれ迄より良くなっておりひょっとするとCAR-T治療後1年半でやっとのこと免疫が回復を始めるのかも。。と期待を持ち始めました。一方オミクロン株に置き換わったCovid-19第6波の最中、医療崩壊の危機がすぐそこまで迫っている様でした。興味があったので診察の際に他家CAR-Tについて、お話を伺ってきました。

血球・免疫グロブリン(IgG)

2022/1/13 結果判定上限下限
WBC(白血球)10*3/μL7.9 8.63.3
HGB(血色素量)g/dL13.7 16.813.7
PLT(血小板)10*4/μL19.0 34.815.8
IgG(免疫グロブリン)mg/dL431L1747861

血球

いずれの数値もあまり変わり映えしないのではありますが、冒頭に書きました通り白血球・血色素量・血小板の3数値が全て正常域内となるのはCAR-T治療後初めてです。何時ぶりかと調べてみたところ、再発治療開始前の2019年11月上旬以来なので、実に2年2か月振りでした!その内1年は自家移植→CAR-T治療とずーっと抗がん剤が使われていたので当然ですが、抗がん剤が終わってからでも1年5カ月のあいだ何らかの数値が低かった訳で、骨髄が多大なダメージを受けていた証左なのであろうと思っています。

免疫グロブリン(IgG)

免疫グロブリン値のグラフ、このところの半年強のあいだ輸血をしてもオレンジ色の輸血ライン到達が精一杯で突き抜ける事無く跳ね返されるというパターンが続いておりましたが、今回輸血ラインを突き抜けて上昇しました!前月のブログに「値の下がり方がこれ迄より少ないのでは?」と密かに期待していると書きましたが、その期待を裏切らない上昇となりました。免疫回復が本物か、はたまた誤差の範囲内で糠喜びに終わるのか、来月の値に注目です。

経過観察16ヵ月目:血球変化なし・腎機能変わらず/PCR検査混雑で待ちぼうけ? – CAR-Tで悪性リンパ腫寛解 (positive-enma.com)

腎機能(eGFR)

治療中の抗生剤が合わずに腎機能が低下してしまった事や慢性腎臓病GⅢaに該当する事。改善すべく飲水量・タンパク摂取量をコントロールしている事。これらの事を過去のブログで書いてきました。取り組み始めて4か月が経過したところで、改善はともかく維持には繋がっているものと思っています。

経過観察15ヵ月目:血球変化なし・腎機能改善継続 – CAR-Tで悪性リンパ腫寛解 (positive-enma.com) 経過観察13カ月目-腎機能低下? – CAR-Tで悪性リンパ腫寛解 (positive-enma.com) 

毎回ご報告しています通り免疫機能がなかなか回復しない為、帯状疱疹等の原因となるヘルペスを抑える抗ウィルス薬(ゾラビックス)を退院後ずーと服用しています。このお薬は腎臓には良くない働きがあるそうなので、免疫が回復しこのお薬を服用しなくても大丈夫になれば腎機能の維持改善に繋がるのではと淡い期待をもっております。ゾビラックス錠200の基本情報(作用・副作用・飲み合わせ・添付文書)【QLifeお薬検索】

オミクロンで医療崩壊?

オミクロンの感染爆発が始まってからだったので受診患者は少ないだろうと高を括って行ったのですが、新型コロナが落ち着いていた昨年終盤と変わりない混雑具合で、第5波の時とは違う雰囲気でした。感染力は強くても重症となる割合が低いという事が広く認識されているせいでしょうか、デルタ株流行時のような”怖さ”が薄れているのかも知れないと思いました。

毎月の診察時にお話しを伺っているので想像はしていましたが、感染症以外の患者へのしわ寄せは相変わらず存在している上に、軽症であっても感染したら隔離となるのは医療関係者も同じであり医療崩壊の危機感が日に日に増している様でした。

曰く「高齢者・基礎疾患のある人だけにブースター接種ができれば、他の人達はインフル並みの対応で済ませられ医療崩壊を防げる可能性ある」が、報道されているようなブースター接種スケジュールでは全く間に合わないので、医療崩壊は避けがたい状況とのことでした。同病の方々の治療スケジュールに影響が出ないことを祈るばかりです。

他家CAR-T

私の場合はCAR-T治療用のT細胞採取(アフェレーシス)が1回で問題無くでき、CAR-T細胞製造も無事成功したので良かったのですが、T細胞採取の成功率が50%近辺(その当時)であったり、T細胞採取がうまく行ってもCAR-T製造に失敗するケースもあると聞いていたので(いずれのケースも再度トライするとの事でした)、他人のT細胞を使用する他家CAR-Tの開発情報に触れ、実用化されれば素晴らしい思い、先生に意見をきいてみました。

先生のコメント

「確かに素晴らしいアイデア。自家CAR-Tは全てが順調に行っても1ヵ月以上かかる(T細胞採取→CAR-T製造→CAR-T輸注)。T細胞採取がうまく行かなかったり、CAR-T製造が失敗したりすると更に治療(輸注)迄の期間が長くなる。CAR-T輸注までにガンが増えない様にコントロールする事が治療の成否に大きく係わるだけに、待機期間が長いのは大きな問題。その点、他人のT細胞を利用する他家CAR-Tであれば、予め製造されているCAR-Tを使用できるので治療スケジュールの設定が容易になる。

しかしながら、他人の細胞であり拒絶反応をゼロにすることは相当に難しいのではと思っている。他にも優れた着想に基づく開発もあり期待されるが、名古屋大が取り組んでいる様な新たな製造方法に期待。自家CAR-Tの大幅コストダウンが現実的には最も期待されるところ。もし100万円でCAR-Tが製造できれば、初発治療をCAR-Tにという事も可能になるのではないか。

先生の希望

抗がん剤は身体には毒なので、使わずにがんを治せればそれに越したことはない。自分が現役のうちに実現したら良いなと思っている」という事でした。抗がん剤を使わない治療が開発されたら、素晴らしいですね。

最後までお読み戴き、有難うございます。

ご参考:他家CAR-T関連の情報

iPS細胞由来他家CAR-T/TCR-T遺伝子細胞治療製剤の作製技術を導入|ニュースリリース|大塚製薬 (otsuka.co.jp)仏Cellectis社、メソテリン標的他家CAR-T細胞療法の前臨床データを学会発表:日経バイオテクONLINE (nikkeibp.co.jp)国際的な産学連携で他家T細胞療法の実用化を目指す共同研究を開始 |順天堂 (juntendo.ac.jp)

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